RubyWorld Conference 2013 開催趣意書
世の中には「常識」というものがあって、ほとんどの人が当たり前だと信じていることがあります。しかし、常識は普遍の法則ではありません。世の中が大きく変化するタイミングで、常識もまた変化します。そして、現在はITの進歩により、まさに世の中が大きく変化する時です。そして、Rubyはこの世の中の変化に合わせて誕生しました。
かつて、ほとんどの人は「日本から世界に通用するソフトウェアは登場しない」と信じていましたし、また「東京以外でソフトウェアビジネスはうまくいかない」、「無料のソフトウェアは信頼できない」、「OSSは継続性がない」、「OSSビジネスはうまくいかない」と考える人がほとんどでした。しかし、現在のRubyの成功はこれらの「過去の常識」は、もはや思い込みでしかないということを明らかにしていると思います。
人間は「思い込み」に弱い動物です。環境の変化に気づくのが遅れて、まずい状況に追い込まれることもしばしばです。しかし、人間は理性のある動物でもあります。我々の理性を活用して、Rubyが垣間見せてくれた未来の可能性を頼りに、思い込みを打ち破り、「新しい常識」を構築しようではありませんか。
本年のRubyWorld Conferenceが、Rubyの新しい可能性を知り、皆さん自身が未来を構築するための一助となることを心から願っております。
RubyWorld Conference 開催実行委員会
委員長 まつもとゆきひろ